目次
1章.子育ての人材育成論
 a.子育ての目的
 ➀これから必要とされる人材
 ②これから必要とされる能力
 b.能力を養う方法
 ➀心のブレーキを外す方法
 c.親の養育態度
 ➀ポジティブになる戦略
 ②【叱るべき時】【ほめる】【喧嘩】
 ③【遊び、おもちゃ、ケータイの与え方】【ルール】【おこづかい】【お小遣い額】【おこづかい   アップ交渉】【お年玉】【おこづかいの境界設定】

2章.子育てのケース別対処法
 ➀【砂】②【ジャングルジム】③【寝坊】④【九九】⑤【学習塾】

1章.子育ての人材育成論

a.子育ての目的

 子供たちが将来、精神的に自立し、発想力と決める力を駆使しながら自立的に動ける(生きる力)ように、親はその訓練に励むしかないようです。子育てとは、子どもの自立に向けたたった20年前後の人材育成プログラムのようです。※7

➀これから必要とされる人材

 AIやロボット、情報蓄積と検索技術がその能力を驚異的に上げる中、知識を持つこと、事務処理や作業能力が高いことなどはほとんど意味を持たなくなるようです。

 必要なのは、新しいものを作り上げる力のようです。役割はいろいろにせちょ、これまでになかったものを仲間と施行錯誤しながら、形にしていく能力と気持ちのようです。※7

2016年はAI元年とされ、3月アルファ碁が「進化スピード」「打ち手の独創性」などによって韓国棋界の「魔王」対李世乭(イセドル)九段を4勝1敗で破ったようです。そして8月東京大学医科学研究所は「(IBM)ワトソンが特殊な自血病の診断に成功した」と発表したようです。ワトソンが人の命を救った最初の例のようです。莫大な論文がワトソンに投入され、診断力が向上したようです。

 他には音声ベースのAI Siri,Alexaなどが登場したり、自動運転なども登場ひてきたようです。

 人やモノの移動が楽になれば、都市の在り方も変わるようです。定形的で知識中心の仕事はなくなるようです。医師・弁護士・会計士はもしかしたら危険な選択ともいえるようです。※7

 ただ個人的な見解として、知識を覚えたりすることは、脳機能の発達や維持を助けたりするため、アウトプットやそれ自体はステータスとならないが、創造性を支える脳機能を作ると思いはします。

 ではどんな仕事が残りふえるのかというと、「曖昧で不定形なものが残る、AIがコストダウンするものが増える」ということのようです。

●研究者…新しい測定手法そのものを開発することも大きなブレークスルーにつながるようです。

●カウンセラー…より高度な対面式カウンセリングを求めるようになるでようです。

●ネット通販の企画・管理…自動運転やドローン宅配などは、既存の物流コストを劇的に下げる可能性を秘めています。結果としては、ネット通販はさらに大きく伸びることになるでしょう。

●起業家…激増する職業になるようです。世界中でここ10年、劇的に増えているようです。昔より格段に、ヒトモノカネが集めやすくなり、売るのも簡単になったからのようです。※7

②これから必要とされる能力

試行錯誤力(=発想力×決める力×生きる力)

 新しいものとは定義により、みんなにとって知らないもの、わからないもの、見通せないもの、のようです。

 やってみるしかないようです。成功までのあらゆるステップで。

【発想力】常識に囚われず新しい発見をし、それを探求できる力

【決める力】選択肢を広げるために、調べて考える事ができる力

【生きる力】失敗にめげず楽しく前に進み続けることができる力

 、、、の組み合わせに他ならないようです。だから子供たちのこの3つの力を、家庭という場で鍛えることが、一つの方法のようです。

b.能力を養う方法

 子どもたちの決める力を奪わないことのようです。更に答えでなく方法をアドバイスすることのようです。

 「アドバイス」(という名の答え)を示されるので、子どもはその内、面倒になって自分で考えることを止めてしまうようです。「これはどうすればいいかなぁ」と言うだけです。

 与えるべきものは答えでなく、考え方であり調べ方です。意思決定のための方法をこそ伝えるべきのようです。そしてそれがちゃんとなされているか、チェックすることが必要のようです。

ものごとを「決める」とは、選択肢をちゃんと挙げて、そこからひとつに絞ることに他ならないようです。まずは意味ある選択肢がなければ話にならないようです。

「決めることは捨てることなり」

そのために必要なものは、判断基準をつくって、それに沿って名選択肢を評価することのようです。

○決めるとは10人中3人になる「覚悟」のようです。

子どもたちにその覚悟を持たせるために、親にできることはその意思決定を、常に全力で支持すること以外にないようです。最強の応援団として。

○そもそも子どもたちは発想力の宝庫で、創造性に満ちてますが、それは学校や家庭、地域の中でその力をどんどん奪われているようです。

潔癖症・運動音痴は創造性の発揮などされる訳がないようです。

●従来の発想力

➀知識が豊富なこと

②知識をいろいろに組み合わせられること

③その組み合わせ方を増やせること

…の組み合わせのようです。

ただし、受動的姿勢(「横並び」意識)であり「常識」「自制心」「心のブレーキ」によって発想を阻んでいるようです。

➀「心のブレーキを外す」方法

➀限界突破経験…目的は「何が何でも壁を突破する」ことのようです。対象は本当に何でも構わないようです。自分に自慢ができることなら、なんでも良いようです。

②家族イベント(予算付)…楽しい発想力訓練。自由で時間があり、かつ大枠制限のある「場」を与えることで、子どもたちは勝手に自ら考え、遊び、アイデアを生み出していくようです。

子どもたちの、そして自らの発想が貧困になってきたなと思ったら、あえてさまざまな「制限」を課してみまるのがよいようです。

発想力の源泉は、「楽しさ」のようです。

楽しさからこそ子供たちの発想は生まれてくるようです。

c.親の養育態度

 臨床心理学者サイモンズ博士

親の負のスパイラル

子育て責任を強く感じる→子どもに対して過保護・過干渉になる→子どもから多くの能力を奪う→子どもが自立できない→なお責任を感じる

親の役割はヘルプでなくサポートのようです。

過干渉とはつまり、子どもに対する過剰なヘルプ(直接的な助力)であり、「答え的なアドバイス」はそのひとつのようです。

良い学びとなるには、押しつけられたものでなく、自分で選んだものでなくてはならないようです。

自分で決めた(と思う)ことならば、成功したとき「自信」に、失敗したとき「前向きな反省」につながるようです。でも親(や教師や塾)が決めたことで失敗したら、それは親の非難やそれに従った自分への後悔にしかつながりません。

サポート役に徹するとは相手の失敗を甘受するということのようです。失敗の覚悟が親には必要なようです。

内発的動機付け(⇔外発的動機付け…外部からの期待や賞賛・報奨・叱咤というアメとムチ)は強制力ではなく当て自身の主体的なやる気のようです。

条件としては➀自己決定感②有能感(できそう)③対人交流(他者からの受容)のようです。

反要因としては➀即時実行指示②先回りアドバイスのようです。※7

 ネガティブさはとても強い感情なので、人はそれより3倍もポジティブさ(喜びや感謝など)を感じないと、十分前向きにはなれないようです。(小言の3倍ほめる)

➀ポジティブになる戦略

・ネガティブさを減らす(反芻しない、きちんと振り返る)

・ポジティブさにつながるマインドセットを持つ(オープンさ、好奇心など)

➡子どもにとては親から「ほめられる」ことのようです。

 やる気を引き出す任せ方とは、少し難しいテーマに取り組ませる、自由にやらせる、任せるルールをハッキリさせて覆さない、という任せ方のようです。

 そして、親の役割とは、その失敗の責任をとることのようです。

親離れ:子供には多くの制限を与え、大人は自由を満喫する…悔しかった早く大人になればいいようです。

子離れ:子離れできあに親の真理に共通しているのは、「自分な何か欠けている」と思い、自分の子どもでそれを埋めようとしてることだ、いわれるようです。

 親が不完全だなんて、子どもは知っています。でもそれを認め、どうにかしようと努力している…その後ろ姿こそが子供にとって何よりの叱咤激励になるようです。

②【叱るべき時】

・「人間として許すことのできないことをした」ときのようです。

・家族が合意した「わが家のルール」を無視したり、背いたりしたとき(感情的になることなく、短く明確に)。

・過去のことから説き起こして「いつもお前は」とか、他のこともくっつけて「これもあれも」とならないように。

「楽しいゲーム」には必ず守るべきルールがあり、それに対する信賞必罰がハッキリしているようです。ときにはしっかり叱ることも必要なようです。

「わが家のルール」は、家族が守るべき大切な約束事のようです。必ずしも親子が同じ内容である必要はないようです。大人と子供は違う、で変えるのも可能なようです。

子どもたちが何より嫌がるのは、親の気分で叱られたり叱られなかったり、ほめられたりほめられなかったりすることのようです。そうならないためにも、「わが家でダイジなこと」を決めとく必要があるようです。※7

③【ほめる】コツ

➀具体的に、なるべくすぐほめることのようです

②小さなことでもほめることのようです。

③子どもの(もしくは共通の)価値観でほめる、ことのようです。

 子どもをほめる目的は、「正しい評価を与える」ことではないようです。「ポジティブさ(自己肯定感)」を引き出すための手段のようです。※7

④【喧嘩】

 親が仲裁しない価値として、子どもからすると、みな平等に扱われていると感じることができるようです。

 当人からすれば自分なりの正統な理由があるから手を出してしまったはずのようです。なのに親が相手の味方になれば、その子はきっと寂しい思いをするようです。

⑤【遊び、おもちゃ、ケータイの与え方】

・遊びとは自由な独立した行動であるようです。

 強制されるものではなく、何かのために行うものでもないようです。ゆえにその第一条件は、ヒトにヒマ(=自由な時間)があることであるようです。

 遊びの根源は、面白さ、であるようです。面白さ自体は定義できないようです。ただし、面白くあるために遊びには適度なルール(=制約)が存在するようです。

歴史家ヨハン・ホイジンガ『ホモ・ル・デンス』も参考になります。

人が最大限の創造性を発揮し、熱意を持つのはまさに遊びの領域においてのようです。それがいわゆる仕事であっても勉強であっても、同じようです。逆に言えば、子ども時代の遊びが、将来への訓練としていかに重要かということでもあります。そして子どもたちが存分に「遊ぶ」ための条件が、ヒマ(自由な時間)と制約(少ないおこづかいなど)なのです。

●自由(=ヒマ)な時間が少ない子ども

一日の予定はほぼ親(と学校)によって埋められ、その間の時間に必死で、テレビを見、ゲームをし、ケータイをいじる傾向にあるようです。夜になったら寝るまで布団の中で、LINEとYouTube。まるでそれが憂き世のストレス発散手段だとでもいうように。

ヒマな週末、ヒマな放課後。そこから「自立的行動」が始まるようです。でもその条件(ヒマや貧乏や仲間)をつくれるのは、親しかいないようです。

テレビとゲーム…これを制限しない限り、ヒマはあっという間に食い荒らされてしまうようです。

【ルール】

・携帯ゲームは買わない

・基本は9時まで

・早起きして学校に行く準備などが完了した上で、見る分は可

・ゲーム機本体はお父さんのものなので、使うときは許可を得ること

【おこづかい】

選択…欲しいモノからひとつに絞る

反省…失敗したときにちょっとだけ痛い目に遭う

反復…何度も試せて、失敗が供される

何は子どもがおこづかいで買い、何は親が買うのかの切り分けをハッキリさせた方が良いようです。親が与えたものであろうが、いったん渡されたおこづかいは子ども自身のものようです。いったん与えれば、それはもう、親の金ではないようです。使い道に細かく口を出せば、決める練習にならないようですし、失敗による痛みを覚えることもないようです。子どもが多少変なモノを買ってきても、じっとガマンする必要があるようです。

【お小遣い額】

平均値でなく中央値(medium)が良いようです。

小学生低学年400円(平均950円)

中学年500円(平均900円)

高学年1000円(平均1100円)

中学生2000円(平均2500円)

高校生5000円(平均5300円)

【おこづかいアップ交渉】

 子ども側に実績データと要求内容の明確化を求めるのが良いようです。

【お年玉】

 バンダイナムコゲームスとネットスマイルの2011年調査

 平均(回答金額の上限下限各2.5%の回答を除外)

 小学生低学年約1万5000円(おこづかい中央値38ヵ月分)

 中学年2万5000円(50ヵ月分)

 高学年2万6000円(26ヵ月分)

 中学生2万7000円(13.5か月分)

 子どもたちのおこづかい収入の、ほぼ年収分がその倍以上に相当するようです。

 これを全額、おこづかい代わりに使わせてしまっては、ふだんの意思決定に大きな歪みが生まれるようです。なので、なんらかの制限はかける必要があるようです。

 例えば「おとな貯金」…子どもにつくった預金通帳のことのようです。20歳までは使えないが、20歳になったらハンコごと子どもに進呈するのも良いようです。

 他には制限をかけ、使えるのは5000円まで、買うのは1品のみ、事前に申請などもあるようです。

【おこづかいの境界設定】

 「衣食住や勉強の必需品は親が出し、それ以外のおもちゃや嗜好品はおこづかいで」となっている家庭がほとんどのようです。

 どこで線を引いても構いませんが、その線をハッキリさせること。

 衣類は月2000円までとか、全体金額で抑えるのが楽かもしれません。

※7

2章.子育てのケース別対処法

例えば、砂場とジャングルジム、その共通点は「自由度の高い遊び場である」ことと「最近、数が減ってきている」ということのようです。

➀【砂】

には定まった形がありません。遊ぶのに、事前に定められたルールも何もないようです。だからこそ自由度が高く、子どもたちが自らさまざまな「遊び」をつくる場となり得るようです。ペットの飼い主のマナーの悪さで減少しているようです。

②【ジャングルジム】

も同様のようです。形が単純で、何もしてくれないからこそ、遊び方の自由度が非常に高いようです。お城にもなれば、迷路にもなるようです。「キケンな遊具」という親たちの声で減少してるようです。

【例】

③寝坊:ヘルプは起こす事、サポートは目覚ましや早く眠るように促すことのようです。 

④九九:ヘルプはやらせる事、サポートはひっかかるところを歌に。

【例1】

⑤学習塾

学習塾に行きたいなら、自分で調べて報告をしてもらうと良いようです。

「選択肢の列挙と絞り込み」を大事な意志決定すべてにおいて求めることが必要のようです。

学びの場とは、自分の意志とコストで行くところのようです。それは自ら調べて決めるもののようです。

決める力は、制限があるからこそ必要で、そこでこそ育まれるようです。

おこづかいが少なければ、当然、考えるようです。※7

※7…『戦略子育て』三谷宏治2018.7.12東洋経済新報社

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